以下は
PCR検査、職員3人で24時間対応 尼崎市立衛生研究所
https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202003/0013200969.shtml
からの引用です。
新型コロナウイルスの感染拡大により、聞かない日はない「PCR検査」。
これまでは保健所から依頼された地方衛生研究所などが検査を行ってきた。
尼崎市立衛生研究所(兵庫県尼崎市南塚口町4)もその一つ。
(略)
検査にあたる職員は基本3人で、この1カ月あまり、いつ来るか分からない市保健所からの依頼に24時間対応してきた。
(略)
保健所職員は、検体をジュラルミンケースなどで四重に包装して搬送。
安全性を確保するため、地下で受け取り、研究所職員は一般客らが使わない非常用階段を使って5階まで運ぶ。
検体処理室。前室では、作業に入る職員に
付着するごみなどを送風で除去する
まずは検体から遺伝子を取り出し、試薬と混ぜ、検査機にかけるための反応液をつくりだす。
職員の感染や検査室汚染のリスクが高い作業だ。
遺伝子を抽出するのは「検体処理室」。
二重の扉で仕切られた室内の、さらに空調で空気が外に漏れないキャビネット内で作業する。
患者のたんなどを採取した検体を液体などで「こして」遺伝子を取り出す。
わずか数十マイクロリットルの液体を扱う熟練の技だ。
遺伝子になった時点でようやく「感染力はゼロになります」と担当の村山隆太郎さん。
別の担当者が別室で水や酵素などを混ぜた試薬をつくり、遺伝子を合わせる。ここまで1時間。
あとは反応液を機械に入れ、ウイルスの遺伝子を増幅させる。一定基準を超えれば陽性。結果が出るまで約3時間だ。
これで陰性となれば、検査は終了。しかし陽性なら、さらに異なる2回目のPCR検査を実施。
3月10日の同研究所陽性1、2例目は全部で17時間かかった。
それ以降は1回の検査のみで判断しているが、他の種類のウイルス検査などがない状況で、1日に検査できるのは24検体ほどだという。
検査数が少なすぎる-。
そんな声はもちろん職員の耳にも入っている。
3人は「保健所も全力で対応しており、決して数をセーブしているわけではないんです。われわれは任された検査を粛々と行うだけです」と、今日も検体と向き合っている。(大盛周平)
以下は
『今はまだ諦める時期じゃない」「一斉休校は議論していない」 新型コロナ専門家会議の委員が協力を呼びかけること』
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-muto?bfsource=relatedmanual
からの引用です。
どんな検査も、医師の診断にとって重要な役割を果たしていますが、検査は万能ではありません。
PCR検査も同じで、間違った判定をする確率もありますし、検査施設が増えると、精度管理の問題も生じます。
それに、正しい検査結果だったとしても、
それは検査をするための検体を採取した時点での結果でしかないです。
検体を採取した後に、体内のウイルス量が増えて症状が出ることもある。
陰性という結果に小躍りして、換気のよくない飲食店で仲間と盛り上がったら、そこで感染するかもしれない。
PCR検査を受けた時点と、結果が出る時点と、具合が悪くなる時点は、全てずれていきます。
そうなると、体調が悪くなる前に検査しても意味がないのは明らかで、そこで陰性が出ても健康である保証はない。だから、
「全ての人にPCR検査をすることは、
このウイルスの対策として有効ではありません」
と言い切っています。まず検査が行き届くべきなのは、重症化する恐れがある人です。
具合の悪くなる人がこれからたくさん出てくるかもしれない時に、心配だからといって全ての人に検査をすることは、明らかにまずいことです。
ーー最後の「みなさまにお願いしたいこと」では一番、何を伝えたかったのでしょう。
皆さんも自分がかからないだけではなくて、人にうつさないという意識を持ってほしかった。
その対策として、病院に殺到しないことも有効なのです。
『感染を心配した多くの人々が医療機関に殺到すると、医療提供体制がさらに混乱する恐れがあります。
また、医療機関が感染を急速に拡大させる場所になりかねません。
心配だからといって、すぐに医療機関を受診しないで下さい。
医療従事者や患者に感染を拡大させないよう、また医療機関に過重な負担とならないよう、ご留意ください。(専門家会議の見解より)』
専門家の先生方によると、
今、最大の感染リスクのある場所は、病院の外来なのだそうです。
心配だからといって病院に行くと、自分も感染するリスクがあるし、そこから医療従事者や他の患者さんに拡散してしまう可能性も出てきます。
専門家会議に参加している
東京大学医科学研究所教授の武藤香織さん
【追記】
ウイルス検査「拒否」全国で290件 日本医師会が調査結果公表
2020年3月18日 18時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200318/k10012338211000.html
からの引用です。
新型コロナウイルスの検査について日本医師会は、医師が保健所に検査を依頼しても断られたケースが、26の都道府県で合わせて290件あったと公表しました。
新型コロナウイルスの検査をめぐっては、医師が感染が疑われるとして保健所に依頼しても断られたケースが報告されています。
日本医師会は今月16日までの20日間、全国の医師会を通じて調査した結果、こうしたケースは26の都道府県で合わせて290件あったと公表しました。
断られた理由については
「肺炎の症状があったが、もう少し経過をみてほしいと言われた」とか
「検体を取りに行きたいが
人手が足りない」などの回答があったということです。
日本医師会の釜萢敏常任理事は
「地域の体制が十分ではなく、
応じられなかったのではないか。公的保険の適用後は検査につながりやすくなったという話もあるが、厚生労働省と改善策を協議したい」と述べました。
以上引用終わり。