日本のお盆に見られる景教の影響
日本の「お盆」は、先祖の霊魂をやすんじるための行事です。日本では、7月15日前後(あるいは月遅れの8月15日)に行われています。
お盆というと、日本人の多くは「純粋な仏教行事」だと思っていますが、仏教にはもともと「お盆」というような風習はありませんでした。サンスクリット語の仏教の経典に、お盆は出てきません。
お盆は「ウラボン」(盂蘭盆)の略です。
これはもともとペルシャ系のソクド語で、「死者の霊魂」を意味する「ウラバン」(urvan)から来ました。ソクド人には、家に祖霊を迎え、共に供え物の風味を味わうという祭りがありました。
また、景教徒(東方キリスト教)たちにも、先祖の霊魂の慰安を祈る風習がありました。「大秦景教流行中国碑」には、中国で景教徒たちは「日に7回、礼拝と賛美を捧げ」「生者と死者とに守りがあるよう」に神に祈ったと記されています。
景教徒は、ローマ・カトリックの言う「煉獄」(中途半端なクリスチャンが死後に行くという浄罪所)の教理を拒否しましたが、その一方で死者を大切にしました。煉獄は聖書に無い教えですから、当然、景教徒はそれを受け入れません。これは今日のプロテスタントと同じです。
(中略)
つまり、中国には、ソクド人や景教徒がやって来るまで、死者のために祈る盛大な行事としての「お盆」の風習はありませんでした。インド仏教にも中国仏教にも、当初、お盆や死者のための供養の行事は無かったのです。